JR東日本の株主優待券の使い方
JR東日本は株主優待割引券(株主優待券)を発行しており、株主になれば毎年株主優待割引券が発行されます。株主優待券1枚で、JR東日本エリアの運賃・料金が40%割引になります。
ここでは、JR東日本の株主優待券の詳細を解説します。
JR東日本 株主優待券の使い方と割引率
JR東日本の株主優待割引券は、それを駅の窓口に提出すれば、引き替えに割引が受けられる仕組みです。株主優待券1枚につき、片道運賃・料金が4割引になります。
駅の窓口のほか、駅の指定席券売機でも使用できます。また、インターネット予約の「えきねっと」でも使用できます。えきねっとで予約した際は、指定席券売機での受け取りが必要です。
複数枚の同時使用はできません。特急料金の割引は1列車に限ります。グリーン車は割引対象ですが、グランクラスは割引対象外です。
株主優待割引券できっぷを購入する際は、JR東日本の駅まで出向く必要があります。駅の窓口か、指定席券売機で株主優待割引できっぷを買うことができます。
JR東日本 株主優待券の割引の対象
JR東日本の株主優待券割引の対象は運賃、特急券、急行券、グリーン券、指定券です。その他の割引との同時適用は原則不可。
また、JR東日本の株主優待券では、JR他社線にまたがるきっぷを購入することはできません。
そのため、利用できるのは、JR東日本が運行する東北・上越・北陸・秋田・山形の各新幹線です。JR北海道が運行する北海道新幹線(新青森−新函館北斗)には乗れません。
当然のことながら、JR東海が運転している東海道新幹線(東京−新大阪)でも利用できません。
JR東日本 株主優待券の入手方法
毎年3月31日の権利確定日にJR東日本の株主になっていれば、5月下旬に所定枚数が送付されます。100株〜1,000株の保有で、100株ごとに1枚の株主優待割引券が発行されます。3年以上の長期保有者には追加で1枚が発行されます。
株主でない場合は、金券ショップやヤフオクなどで販売されているものを購入することもできます。相場は1枚4,000円程度ですが、季節や需給により変動します。
JR東日本 株主優待券の有効期間
JR東日本の株主優待割引券の有効期間は、7月1日から翌年6月30日までの1年間です。そのため、金券ショップなどでは、毎年ゴールデンウィークを過ぎて有効期間切れ間近になると値下がりします。
株主優待割引券の有効期間内に乗車券を購入した場合、その乗車券等に記載された期間まで有効です。
たとえば、6月30日に、7月30日から有効の東京〜秋田(5日間有効)の乗車券を購入した場合、この乗車券は8月3日まで有効です。こうした制度を利用すれば、安く株主優待券を入手して有効期間を実質的に広げることができます。
株主優待割引券には「利用不可期間」がありません。そのため、ゴールデンウィークやお盆、年末年始でも使用できます。一年中いつでも使えますので、新幹線回数券が使えない時期には価値があります。
JR東日本 株主優待券の利用例
JR東日本の株主優待割引券を利用した場合(40%割引)の価格比較です。
◇東北新幹線
東京−新青森 株主価格10,600円 通常価格17,670円 差額7,070円
東京−盛岡 株主価格9,000円 通常価格15,010円 差額6,010円
東京−仙台 株主価格6,840円 通常価格11,410円 差額4,570円
◇秋田新幹線
東京−秋田 株主価格10,810円 通常価格18,020円 差額7,210円
◇山形新幹線
東京−山形 株主価格6,870円 通常価格11,450円 差額4,580円
◇上越新幹線
東京−新潟 株主価格6,450円 通常価格10,760円 差額4,310円
◇北陸新幹線
東京−長野 株主価格5,000円 通常価格8,340円 差額3,340円
JR東日本の株主優待券を4,000円で入手した場合、通常価格より安くなるのは東京−仙台・新潟間が最低ラインです。ただ、株主優待券を金券ショップで購入するなら、その費用がかかりますので、実質的には東京−盛岡間が「お得に利用できる最低ライン」と思われます。東京−八戸や東京−青森などでは威力を発揮するでしょう。
それ以外の、山形、上越、北陸新幹線では、JR東日本の株主優待券はあまりお得とはいえません。
JR東日本 株主優待券の上手な使い方
JR東日本の株主優待券は、JRの株主として、JRから直接配られたものを使うならとてもお得です。ただ、片道1枚、往復利用なら2枚が必要です。2枚の株主優待券を手に入れるには100万円以上の株式投資をしなければなりません。株主優待券のためだけにJR東日本の株を買うのは、リスクを考えれば割にあいません。
株主でない人は、金券ショップやネットオークションで購入することになりますが、1枚4,000円の相場価格では、それほどお得感はなく、長距離区間のみで利用価値があるといえます。具体的には、東京・大宮−八戸、新青森、弘前などでのみ、利用価値があります。
また、株主優待券はグリーン料金も割引になりますので、グリーン車を利用する方には価値は高いです。グリーン車の割引きっぷは少ないので、株主優待券を活用すると安く旅行できます。
JR東日本には「トクだ値」などの格安チケットがあります。設定区間は限られますが、実質的な割引率では「トクだ値」のほうがお得な場合が多いと思われますので、優待券を金券ショップで購入する前に、まずは「えきねっと」をチェックした方が良いでしょう。
しかし、「トクだ値」が手に入らなかったり、設定がなかったりする区間なら、株主優待券が威力を発揮します。