「スマートEX」の基礎知識
東海道・山陽・九州新幹線のインターネット予約サービスが「スマートEX」です。Suica、PASMO、TOICA、ICOCAといった交通系ICカードで新幹線に乗車できます。会員制サービスですが、入会金や年会費などは必要なく、クレジットカードがあれば誰でも利用できます。
ここでは、スマートEXの利用法、メリット、デメリットについて、わかりやすく解説します。
スマートEXでできること
最初に、スマートEXでできることをまとめてみましょう。以下の通りです。
- パソコンやスマホで東海道・山陽・九州新幹線の指定席が予約可能。
- 交通系ICカードを使ったチケットレス乗車が可能。
- 好きな座席を自分で選ぶことが可能 。
- 予約後、何度でも別の列車に変更可能。
- 新幹線指定席の割引を受けられる。
- 複数人で利用できる。
スマートEXの使い方
スマートEXは会員制です。利用するには、最初に会員登録が必要です(無料)。会員登録は、クレジットカード情報と個人情報を入力するだけです。
チケットレスサービスを使いたい場合は、手持ちの交通系ICカード番号も登録します。使用できるICカードは、Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCAの10種類です。
チケットレスサービスを利用する場合は、乗車当日、改札口に登録した交通系ICカードをかざすだけです。
チケットレスサービスを利用しない場合は、当日までに駅の指定席券売機や駅窓口で紙のチケットを受け取ります。受け取りには登録したクレジットカードが必要です。紙のきっぷ受け取り後は、そのきっぷで改札口を抜け新幹線に乗車します。
最大6名までの複数人で利用することが可能です。
スマートEXで購入できるチケット
スマートEXでは、主に「スマートEXサービス」や「EX早特」といった割引チケットを購入できます。
スマートEXサービス
スマートEXで利用できる東海道・山陽・九州新幹線(東京〜新大阪~博多~鹿児島中央)のチケットレスサービスです。スマートEXの基本チケットが「スマートEXサービス」です。
スマートEXサービスの価格は、通常のきっぷとほぼ同じです。指定席・グリーン席価格は、原則として通常価格より200円安く設定されています。自由席は通常価格と同額です。
ただし、スマートEXサービスでは特定都区市内駅制度が適用されず、新幹線駅相互の間の利用しかできません。それ以外の区間へ乗り越す場合には、別途乗車券が必要です。
たとえば、東京では「東京駅」「品川駅」でしか利用できず、たとえば「新宿駅」から乗り降りする場合は、別途「東京−新宿」または「品川−新宿」の運賃がかかります。
通常の新幹線チケットでは、東京駅も品川駅も新宿駅も同価格で乗り降りできますので、その点はスマートEXサービスは不利になります。
運賃面を別にすれば、乗車駅でICカードをタッチし、新幹線改札もICカードで抜けて、降車駅までICカードだけで利用できます。その点はとても便利です。
スマートEXのチケットには閑散期や繁忙期の区別があり、「のぞみ」と「ひかり」「こだま」では料金が異なります。これは通常のきっぷと同じです。
予約したチケットの変更は、原則として自由です。通常のきっぷでは変更は1回までという制約がありますが、スマートEXではそれはありません(ただし、チケットレス乗車をする場合か、紙のきっぷを受け取る前に限る)。
スマートEXサービスについてもっと詳しく
→「スマートEXサービスとは?」
EX早特
EX早特は、スマートEXサービスの早割版です。乗車の数日前までの予約で東海道・山陽・九州新幹線が割引価格で乗車できるチケットレスサービスです。列車・区間・席数限定です。
それ以外のルールや利用方法は、スマートEXサービスと同じです。
「EX早特」には「EX早特7」「EX早特21ワイド」「EXグリーン早特3ワイド」「EXこだまグリーン早特3」「EXのぞみファミリー早特3」「EXこだまファミリー早特3」といった種類があります。
EX早特についてもっと詳しく
→「EX早特とは?」
スマートEXのメリットとデメリット
スマートEXは、東海道・山陽・九州新幹線をインターネット予約で利用したい人には便利なサービスです。
インターネットで東海道・山陽・九州新幹線の列車予約ができる点がまず便利ですし、SuicaやICOCAといった、手持ちのICカードで新幹線に乗れるのもメリットです。ICカードを使わない人も、紙のきっぷを受け取れば利用できます。
エクスプレス予約と違い、年会費が不要な点も大きなメリットです。クレジットカードさえあれば誰でも利用できます。
価格面では、大きなメリットはありません。価格は通常のきっぷとほとんど変わらず、指定席券で200円ほど安くなっているだけです。特定都区市内駅制度が使えないので利用区間によっては通常価格より高く付く場合もあります。
片道601km以上を乗車する場合は、往復割引があります。価格的には通常のきっぷの往復割引とほぼ同じですが、往復の期間が1ヶ月までと長くなっているのは通常より有利な点です。
「エクスプレス予約」と比較した場合、チケット価格はエクスプレス予約のほうが安いです。
エクスプレス予約は年会費がかかりますし、専用のクレジットカードやICカードが必要なので煩わしさがありますので誰にでもお勧めはしませんが、東海道・山陽・九州新幹線を頻繁に使う人は、エクスプレス予約のほうがお得感が高いでしょう。