グランクラスとは?
東北・北海道、北陸新幹線にはグランクラスが連結されています。グランクラスは、グリーン車を上回る豪華なシートで、行き届いたサービスも売り物。一方、料金も高く、気軽には乗れないと考える人も多いでしょう。
ここでは、新幹線のグランクラスはどういうシートでどんなサービスが受けられるのか。細かい点までご紹介してみましょう。
グランクラスの座席は?
新幹線のグランクラスは横3列(2列+1列)です。新幹線のグリーン車は横4列(2列+2列)ですから、1列分少なくなっています。そのぶん座席の横幅は広くなっています。グランクラスの座席幅は525mmで、グリーン車の475mmより5センチほど広くなっています。
シートの前後間隔もゆったりしています。グランクラスのシートピッチは1,300mmで、標準的なグリーン車のシートピッチ1,160mmより14センチほど広いです。
リクライニング角度も深く、シートをより大きく倒すことができます。新幹線のグランクラスのリクライニング角度は43.6度。グリーン車のリクライニング角度は車両によって異なりますが、E2系が26度、E5系が31度、E7系は37度です。グランクラスはかなり深く倒れるといっていいでしょう。
隣席との間にパーテーションもあり、プライバシー感が保たれます。レッグレスト、フットレストが連動して電動で動き、快適な座り心地を提供してくれます。
グリーン車を飛行機の「プレミアムエコノミー」にたとえると、グランクラスは「ビジネスクラス」に比肩する快適性があります。
グランクラスのコンセントは?
グランクラスには、全席にコンセントが装備されています。
グランクラスのスペックまとめ
シートピッチ | 1,300mm |
---|---|
座席有効幅 | 525mm |
肘掛幅(側/中) | 124mm/270mm |
パーテーション | 有 |
読書灯 | 有 |
電源コンセント | 有 |
テーブルサイズ | 484.9×253mm |
リクライニング | 43.6度(電動) |
座面(スライド・チルト) | 電動 |
レッグレスト | 電動 |
ヘッドレスト | 上下手動 |
グランクラスのサービスは?
グランクラスには専任アテンダントによるサービスがあります。食事(軽食)提供のサービス、アルコール類を含む飲み物のフリードリンクサービス、各種アメニティグッズの用意、新聞、雑誌、時刻表の貸し出しなどが提供されます。軽食は1乗車につき1食のみです。
利用者の少ない時間帯・列車では、グランクラスの専任サービスは行われていません。そうした列車では、グランクラスは「シートのみ営業」と表示されます。「シートのみ営業」のグランクラスは、軽食・ドリンクなどのサービスは一切ありません。
グランクラスのメリットは?
新幹線でグランクラスに乗るメリットは、なんといっても座席の快適性です。また、グループ旅行が少ないので、車内が「静か」。静かにゆったり過ごしたいという方には最適です。軽食は、正直腹の足しになるほどではありませんが、お酒を飲みながらつまむ程度にはいいでしょう。大きな荷物を持って乗る場合も、荷物の置き場所にはほとんど困りません。
グランクラスの料金は?
グランクラスの料金は、グリーン車に比べて2倍以上。300km以上を乗ることを前提にした料金設定となっていますので、短距離ほど割高です。301km~700kmが9,000円程度です。
距離 | ねだん(A) | ねだん(B) |
---|---|---|
100kmまで | 6540円 | 4,450円 |
200kmまで | 8,040円 | 5,950円 |
400kmまで | 9,430円 | 7,340円 |
600kmまで | 10,640円 | 8,550円 |
700kmまで | 10,840円 | 8,750円 |
701km以上 | 11,840円 | 9,750円 |
距離 | ねだん(A) | ねだん(B) |
---|---|---|
100kmまで | 6,540円 | 4,450円 |
200kmまで | 8,040円 | 5,950円 |
(A)は東京~盛岡、新青森、新函館北斗発着の「はやぶさ」、東京~金沢発着の「かがやき」「はくたか」。(B)はそれ以外の列車です。(A)はアテンダントによる飲食などのサービスのある列車、(B)は座席のみサービスの列車です。
上記はグランクラスの料金表です。 別途運賃・特急料金がかかります。
また、JR東日本と、JR西日本、JR北海道を乗り通すと、グランクラスの料金は跳ね上がります。基本的に、グランクラス料金は各社内での打ち切り計算だからです。
実際には会社間またぎ乗車の場合に、割引もありますが、「会社をまたいで乗るととっても高い」ということはご認識を。東京~新函館北斗間のグランクラス料金(A)は17,780円。東京~金沢のグランクラス料金は15,370円です。
新幹線でグランクラスが連結されているのは?
グランクラスが連結されているのは、東北・北海道新幹線と、上越・北陸新幹線だけです。そのうちの、E5系、E7系で運転する列車で連結されています。「はやぶさ」「やまびこ」「なすの」「かがやき」「はくたか」「あさま」「つるぎ」「とき」「たにがわ」で連結されています。「はやぶさ」「かがやき」以外はシートのみ営業です。
東海道・山陽新幹線や、九州新幹線ではグランクラスの連結はありません。
新幹線のグランクラスは利用価値がある?
新幹線のグランクラスの価値は、シートの快適さとサービス水準の高さです。「横3列」でパーテーション付きですから、隣席の人と接触することなく快適に旅をできます。
一方で、新幹線はグリーン車でも十分快適で、静かでよく眠れます。グランクラスの軽食も、価格に比べればシンプルなものですから、それほど高い価値を見いだせない、という人もいます。快適に移動したいならグリーン車で十分、という人も多いでしょう。
ただ、実際に利用してみると、その特別な空間の雰囲気がクセになり、また利用したくなるものです。東京から北海道や北陸へとなると割高感がすごいので、正直あまりおすすめはしませんが、JR東日本管内の移動としてなら、それなりにコスパもいいのではと思います。