新幹線の子供料金のルール
新幹線には子供料金があります。小学生は半額、未就学児は無料、というのが原則です。
しかし、例外も多く、未就学児は自由席が無料ですが、指定席を取れば有料になります。JRの子供料金のしくみは簡単にみえて意外とわかりにくく、質問の多いポイントです。
ここでは、新幹線の子供料金や、無料と有料の境目などを、詳しく解説します。
新幹線の子供料金は何歳から?
JRでは、「おとな」と「こども」などを以下のように区分しています。おおざっぱには、以下のように理解すればいいでしょう。
- おとな……12歳以上(中学生以上)=大人運賃
- こども……6歳−12歳の小学生=半額
- 幼児……1歳−6歳までの未就学児=無料
- 乳児……1歳未満=無料
基本的には上記のように理解しておけば問題ありません。12歳であっても小学生は半額、6歳であっても未就学児(小学校入学前)は無料です。
ただ、例外がいくつかありますので、注意してください。以下でわかりやすく説明していきます。
なお、JRでは「こども」とひらがなで表記します。旅客営業規則では「小児」と書かれています。いずれも、意味は一緒で子供のことです。
新幹線の子供料金はいくら?
新幹線を利用する場合、「こども」の運賃、特急料金は「おとな」の半額です(5円の端数は切り捨て)。自由席の場合は自由席特急券が半額になりますし、指定席の場合でも指定席特急券が半額になります。
ただし、グリーン券、グランクラス券には子供料金はなく、「おとな」と同額です。グリーン車を使う場合は、「こどもの運賃」+「こどもの特急料金」+「おとなのグリーン料金」がかかります。
「のぞみ」も「はやぶさ」も子供料金は同じ
新幹線の「のぞみ」や「みずほ」「はやぶさ」「こまち」などでも「こども半額」のルールは同じです。新幹線の全ての列車で、子供料金のシステムは同じで、小学生なら半額、幼児なら無料が適用されます。
「幼児」「乳児」が無料になる条件は?
新幹線を利用する際、「幼児」「乳児」は原則として無料です。つまり、小学校入学前の子供は無料で乗車できます。ただし、以下の制限があり、少し話がややこしくなります。
まず、料金を支払って乗車する旅客1人につき無料となる「幼児」「乳児」は2人までです。つまり、親が1人で「幼児」「乳児」が3人の場合、「1人分の大人料金と、1人分の子供料金」が必要になります。
また、親が1人で小学生の子供が1人、「幼児」「乳児」が3人の場合は、料金を支払って乗車する旅客が2人いますので、「幼児」「乳児」は4人まで無料になります。ですから、この場合は「幼児」「乳児」3人が全員無料になります。
「幼児」「乳児」でも指定席を使えば有料
「幼児」「乳児」が有料になるケースはまだあります。それは指定席やグリーン席を「幼児」「乳児」が1人で利用した場合です。
指定席は「席を確保する」という点では「幼児」も同じです。そのため、「幼児」「乳児」にも料金がかかるのです。
指定席を利用する場合、「幼児」「乳児」であっても「こども」とみなされます。そのため、「こどもの乗車券」+「こどもの指定席特急券」が必要になります。つまり、指定席部分だけが有料になるのではなく、乗車券部分(運賃)も有料になるので注意してください。グリーン車を利用すると、「こどもの運賃」+「こどもの特急料金」+「おとなのグリーン料金」が必要になります。
「幼児」が一人で旅行しても有料
「幼児」が有料になるケースとしては、単独で新幹線を利用した場合もあります。あまりないケースだとは思いますが、「幼児」が一人または「幼児」のみのグループで旅行すると、子供料金がかかります。乗車駅まで両親が送り、下車駅で祖父母が迎えに来る場合などでは、幼児であっても子供料金を支払わないといけません。
「幼児」の自由席利用に制限はなし
新幹線の自由席を利用する場合は、「幼児」「乳児」は原則無料です。この場合、「席を使用してはならない」という規則はありません。ですから、幼児や乳児が1席を占拠してもルール上は問題ありません。
とはいうものの、満員の自由席で立ち客がいるのに、無料の子供が自由席で座っているのはマナーに反するのではないか、と考える人もいます。心情は理解できますね。
ということで、自由席が混雑している場合は、できるだけ配慮しましょう。無料の幼児はひざの上に載せたり、2人いたら1席に座らせたり、などなど。4歳、5歳となるとひざの上というわけにもいかないでしょうが、できる限りの配慮をすれば、気兼ねなく旅ができます。
また、6歳以下の「幼児」「乳児」を連れて旅行するときは、なるべく空いている列車の自由席を選ぶのがいいでしょう。少し時間がかかっても「こだま」などの各駅停車タイプがおすすめです。
飛行機よりも安い!
飛行機の場合、子供が無料になるのは2歳まで。3歳以上は子供料金がかかります。飛行機では子供料金の割引運賃はあまりありませんので、子供料金といえど大人の割引運賃とほとんど変わらなくなることもあります。
それに比べると、新幹線の子供料金のシステムはとても良心的。自由席を使えば未就学児無料、というのは子連れにやさしいシステムです。子連れ旅行はJRに限りますね。